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第156話 サロンの買収②

Auteur: 花柳響
last update Date de publication: 2026-02-20 06:01:01

 ◇

 インペリアル・ドラゴン・ホテルの地下駐車場から滑り出した漆黒のリムジンは、朝の都心を無音で滑るように走っていく。

 隣に座る湊は、オーダーメイドのスリーピーススーツを隙なく着こなし、タブレット端末で何かを確認していた。

 組んだ足、切れ長の瞳、整いすぎた横顔。

 昨夜、私の名前を呼びながら乱れていた男と同一人物だとは信じがたいほどの、圧倒的な「帝王」の風格。

 けれど、繋がれた左手だけは、私の指を痛いほど強く絡め取ったまま離さない。

 タブレットを操作する右手と、私を繋ぎ止める左手。

 そのアンバランスさが、今の彼の精神状態――公人としての冷徹さと、私への依存的な愛着――を如実に表しているようで、私はくすぐったいような、それでいて少し重たいような心地よさを噛み締めていた。

「……湊。害虫駆除って、どういうこと?」

 沈黙に耐えきれず尋ねると、彼はタブレットから目を離さずに答えた。

「言葉通りの意味だ。……お前の城に
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